前々々回ぐらいでしたっけか。
神社のクリスマスという題名の小説を作りましたが残念ながら大変な誤字があって
公開を中止。今回はリベンジですな。もう一回別の話ですが本気でもう一つ小説を。
ちなみにリベンジにかけてアレンジ的な小説。
昔ちょっとあったものをアレンジしてます。
キュピル
「うむ、今回はこの本でも読んでやるとするかな」
ジェスター
「なんていう題名の本ー?」
キュピル
「題名は最後に聞いたほうが良いかもしれん。ちょっとネタバレがある」
ジェスター
「ふーん・・・」
ルイ
「今回はってことは前にも本を音読してたんですか?」
ファン
「今回で二回目ですよ。ルイさんは今回が初ですね。前回は神社のクリスマスっていう
ちょっと摩訶不思議な話でしたけど」
キュピル
「今回も摩訶不思議かもしれんな。ただこの本はそんなに長くないから」
ジェスター
「本当だ、ちょっと薄い」
キュピル
「さて、読むとしよう」
広い広いこのアノマラド大陸。
強大な冒険者たちが色んな道を歩き地図も大きくなる一方。
未だ発見されていない大地、生物、空間がある。
ここにもまた一人。未知な世界を追い求める人がいた。
名前は『レヤウィン』。彼はある家に尋ねた。
「用事があって参った」
「はいはい、どのようなご用件で?」
「シレノ地方の話を聞きに来た」
「もう何回目でしょうね、その話をするのは」
「・・・?初めてここに参ったのだが」
「この話を聞きに来たのは貴方が最初ではありません。
貴方もまた未知な世界を追い求める人なのですね?」
「俺はただ未知な世界を追い求めたいだけじゃない。
どこまで世界が広がってるのか、どれほど強い敵がいるのかを知りたいが故に
旅をしている」
「哲学ですね。いいでしょう。シレノ地方がどういう所で何がいるのか教えましょう」
尋ねたその家は様々な情報が行き来する一つの宿である。
宿を経営しつつ各地の話を聞き、本を集めているため情報通としても知られている。
シレノ地方について様々な事をレヤウィンに教えていた。
その地方に住んでいなければ普通分からない情報。
逆に不確かな情報。確実ではない情報も全て含めレヤウィンに教えた。
シレノ地方には幽霊がいる・・。目に見えない敵がいる・・。絶大な力を持つトロールがいる・・。
何から何まで教えた。それを全て頭に叩き込み一言一句覚える。
「これで全部だ」
「わかった、恩に着る。これで失礼する」
「もう一度言っておく、教えた情報は全て正確な情報とは限らない」
「情報は全部信じていない」
「そうか」
「シレノ地方のモンスターと戦って生きて戻った人がいない事も言っておこう」
「宣言しておこう。何ヵ月後かしたらここに戻る」
そう言うとレヤウィンは宿から出た。
ルイ
「霊がいるんですね!シレノ地方には!」
キュピル
「やっぱり反応したか。ただ言っておく。これ実話じゃないから」
ルイ
「残念・・・」
ファン
「シレノ地方なんて聞いたことありませんからね」
ジェスター
「うーん、私はまだイマイチ展開が読めない・・・」
キュピル
「まぁ、これは少々大人向けだぞ。続きを読むとしよう」
数ヵ月後。レヤウィンの宣言通り生きて宿に戻ってきた
「驚いた、あのシレノ地方のモンスターと戦って生きて戻ってくるなんて」
「君の情報がなければ俺は死んでいただろう。
先手を取れた事が一番の勝因に繋がった」
「よかったらシレノ地方について何があったか教えてくれないか?」
「そのつもりだ。そのかわり次は『ルンド大陸』について教えてほしい」
「いいよ、けどまずはシレノ地方についてから教えて」
レヤウィンは一部始終全てを話した。
彼がシレノ地方についた後、どうやって過ごしどうやって敵と戦ったか。
街は殆どなく村と呼べるようなものがほんの少し存在するだけだった。
しかしそれはモンスターなどの影響ではなく地形が悪く単純に住民の適応能力が
悪いだけの事だった。単純に言えば街が作れないだけ。
モンスターに関しては情報通りだった。
霊は物理攻撃が全く効かないが魔法なら効力がある。
剣にエンチャント属性を付けなぎ払ったこと。
強大な力を持っていて尚且つ素早さも備えているトロール。
この敵は攻撃する隙を作らせない方がいいっと教えるレヤウィン。
シレノ地方について大体教え終わったところで今度はルンド大陸について教えてもらう。
ルンド大陸はヴァンパイアが大勢いるらしい。
ヴァンパイアは伝記通り顔が痩せ細っており顔面も蒼白状態なため
通常の人間と見分ける事は容易い。
しかし姿を隠す能力もあり、先手を取る事は少し難しい。
また蝙蝠に変身して物理攻撃と魔法攻撃を全て無効化する技も存在する。
今回の話もまた一言一句全て聞き逃さず頭に叩き込むレヤウィン。
最後に対処法は不明っと聞き取った所でルンド大陸についての情報は終わった。
「分かった。恩に着る」
「今回はシレノ地方と比べると遥かに辛い場所だ。それでも行くのか?」
「もう一度いう。俺は全ての情報を鵜呑みにしているわけではない。
それは武器や防具にも言えることだ。どんなに高価な剣でも傷やボロが一個出れば
すぐに破損する。信じられるのは己の知識と技術だけだ」
「君は哲学者だ。君は信じないだろうけど伝えておこう。ルンド大陸もまた
生きて戻ってきた人は居ない。」
「今回も宣言しておこう。数ヵ月後に戻る。」
そういうとレヤウィンは宿を出た。
ルイ
「れ、霊を倒すなんて・・」
キュピル
「そこは切り離して考えるべし」
ジェスター
「うーん、私としては前回の神社のクリスマスの方が面白いなぁー・・」
キュピル
「人それぞれだと思うが個人的にこっちの方が気に入ってる。」
ファン
「自分は最後まで聞いて見ないとなんとも」
キュピル
「それもそうだな、このまま一気に最後までよむぞ」
数ヵ月後。宣言通りレヤウィンは再び宿へ戻ってきた
「驚いた、またしても君は生きて戻ってきたんだね」
「君の情報は殆ど間違っていた。ヴァンパイヤは蝙蝠なんかに変身しなかっし
透明化することも一切なかった。だが先手を取る事が厳しいのは確かだった。」
「そうだったのか」
「だが俺はこうして生きて帰ってきてる。それは全ての情報を信じたわけじゃないからだ。
生きて帰ってきてるのが証拠と言えよう」
「なるほど、よかったらまたルンド大陸について教えてくれないだろうか?」
「そのつもりだ。だが、今度はケンズ地方について教えて欲しい」
再びレヤウィンはルンド大陸には何があったのか教えた。
ルンド大陸には人が全く居ない。むしろそこに済んでいた人全員がヴァンパイヤになっていたと
言っても過言じゃないそうだ。
民家や町は存在していたのだがそこにいる殆どがヴァンパイアだったらしい。
また太陽光やニンニクに触れると死ぬっというのも全くのデタラメだった。
太陽の下を平然と歩いてる者もいれば(つらそうにはしてたが)
ニンニクを食ってるヴァンパイアすらいた。
いざ、戦闘を始めると意外にも弱腰。
イメージや情報とは全くかけ離れた敵だった。
しかし魔法攻撃を駆使した戦闘をしてくるため接近戦が厄介だった。
そのためルンド大陸のヴァンパイアには射撃戦で挑むのが正しいという情報を
レヤウィンは教えた。
全て話し終え今度はケンズ地方について教えてもらった。
ケンズ地方もまたヴァンパイヤを中心とした敵がいるのだが
前回のルンド大陸とは違い見た目で判断するのは非常に困難であり
人々に紛れて普通に生活する者もいるらしい。
またその能力も強大であり、ルンド大陸のヴァンパイヤと情報で比べると
比較にならない強さを持っている。
ケンズ地方のヴァンパイヤは見た目でこそ判断が難しいが
数日間人の生き血を吸わないとルンド大陸のヴァンパイヤと同じく顔が
痩せこける特徴がある。そのため人の中に紛れるには生き血を吸う必要生がある。
だがそもそも人前で堂々と襲うことが一切ないため普通に遭遇することは滅多になく
逆に言えば先手を取れる事は殆どないと言える。
また闇に従うスカルパスを召喚して戦わせる魔法も持っている。
このケンズ地方についての情報は潤っていた。
「これで全部だ。君はやはりケンズ地方にいくんだね?」
「当然だ。」
「また今回も言うよ。ケンズ地方を探索してたら間違いなくヴァンパイヤと遭遇するよ。
しかも先手を取られた状態でね。生きて帰れないよ」
「何度でも言う、全ての情報は当てにしない。自身を当てにする。
だが、今回も宣言する。数ヵ月後にはここにまた戻る」
そういうとレヤウィンは宿を出た。
しかし数ヶ月経ってもレヤウィンは宿にやってこなかった。
最後にレヤウィンが宿を訪ねてから一年半が経ったある日。
その日の天気は大嵐だった。雷も鳴り響き不吉感を出していた。
そんな日にレヤウィンは宿に戻ってきたのだ。
「てっきり君は死んでしまったのかと思った」
「そういう君こそ部屋の明かりをつけていなかったから死んだのかと思った」
「あぁ、失礼。この大雨で停電してしまってね。
それに大雨で街に行く事も出来なくてね」
そういうと彼はロウソクに火を灯した。
レヤウィンは彼の顔を見て心底驚いただろう。
彼の顔に血の気は失せ痩せこけていた。
「96時間ほど食事をしてなくてね」
常に先手を取らせない事をモットーにしていたレヤウィンでも
この時ばかりは先手を取る事は出来なかっただろう。
宿に悲鳴が鳴り響いた。
キュピル
「以上、終わり」
ジェスター
「・・・・」
ルイ
「うーん・・・、これバッドエンドって感じですけど
かなり奥深いですね・・・」
ファン
「まさかこんな展開になるとは前々思わなかったです」
ジェスター
「・・・・・」
キュピル
「どうしたどうした。」
ジェスター
「寝る前にこんな話しないで欲しい!」
キュピル
「ははん、怖くて寝れないんだな」
ジェスター
「ね、寝れる!」
キュピル
「嘘は言わないほうがいい」
ジェスター
「寝れるってば!」
バタン
ルイ
「まだまだ子供ですね」
キュピル
「うむ」
ルイ
「ところでこの本のタイトルは?」
キュピル
「友の生き血。タイトル名で既にネタバレを感じる」
ファン
「確かにそうですね。・・・って、それ夜読む本じゃないですよね・・」
キュピル
「まぁ、内容が奥深いのは確かだったからどうしても読み聞かせたかった」
==三日後
キュピル
「おはよう〜・・・・。」
ルイ
「おはようございます」
ファン
「ここ最近よく寝てますね」
キュピル
「うむ、すっきり爽快」
ガチャ
顔面蒼白のジェスター
「あの話が怖くて三日間寝れないんだけど・・・」
キュピル&ルイ&ファン
「で、でたあああああぁぁぁぁ!!!」
End
追伸
一応リメイク作品ってか元ネタがある。
けど奥深い内容の割には誰も知らないから見てもらいたかった。みたいな。そんな感じ。
結構これ怖い話だと思いませんか?
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